悲しみの夢魔

悲しみの夢魔は
吸血の鬼となって
宵闇の静けさの奥に
染みわたる色をつけはじめる


研ぎ澄ませれば、するほどに
肉体の重力とその壁に抗えず、
その反目する存在と意識の乖離を
目をふさぐことでしか
沈められぬ、とするなら

微細な波動の集積は
経過する不在証明の連鎖

終わりは原初から始まっていたのだ
ああ、モン・シェリ
いとしい人よ
最期にお前を抱きすくめることができるなら
生まれた後悔の懺悔の叫びを
その細い背骨に流し込もう
脈絡の宙に飛べる翼がはえるように

蝋でできたイカロスの翼しか持たない
愚かしさは
暴虐の運命の鎖に繋がれたまま

しかし
始まりは終わりから
また、始まってしまう
ああ、モン・シェリ
いとしい人よ
扉は開くというのに
その刹那
夢魔が闇を染めていく
   
       未完



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